【記事全文】 ■ピン接合で長さ調整可能な耐震補強用鋼管ブレースを開発 川金テクノソリューション(旧社名:川口テクノソリューション)は、鋼管ブレースによる耐震補強工法「ADブレース」を開発した。これは、同社の主力商品であるアドバンス制震装置の技術を応用して開発されたもので、ベターリビングの一般評定(CBL SS003-08号)を取得している。 ADブレースは、両端をピン接合にした耐震補強用の鋼管ブレースである。ターンバックル機構の採用で、長さの微調整が可能。取り付けなどの施工性に優れている。 主な特徴は次のとおり。(1)3種類のクレビス(鋼管径φ146.0、φ190.7、φ244.5)と3種類の鋼管(材質STK400、STKN400B、STKM13A)の組み合わせによって、建物ごとに最適なブレースを選択することができる。(2)H形鋼を用いた従来のブレースに比べ、鋭角部やボルトの露出が少ないため、安全性が高い。(3)主要部材が鋼管のため、威圧感が少なく意匠性がよい。 (4)ターンバックル機構により、ピン間距離を±20mmの範囲で調整できるので、施工性がよい。(5)クレビスにはJIS規格品の鋳鋼を採用しており、ピン(SCM435)は国土交通省の認定を取得。 ■顧客のニーズを製品開発に積極活用 一方で、耐震補強工事の施工を簡便化する「ダブジョイント」(CBL SS001-07号)との組み合わせが可能であり、フレキシビリティを持つ。ダブジョイントは、アドバンス制震装置で得られた多様な耐震補強ニーズをもとに開発されたものである。耐震補強などに採用する鉄骨枠の接合部に凹型・凸型の鋳鋼部品を用いて、それらを嵌め合い、高力ボルトで締め付けて固定する。従来の高力ボルト接合に比べ、フラットな接合面が得られるのが特徴。安全性も高く、意匠性にも優れている。また、作業内容が簡素化されるので、工期の短縮も実現される。耐震補強では、鉄骨部分が露出されるので、フラットな接合部の外観や補強後のデザイン性のよさは、幅広い用途の建築において評価が高い。他の補強工法との組み合わせも可能である。 なお、先に開発されたアドバンス制震装置(CBL ID002-08号)でも、ダンパーを短くできるトラニオン型ダンパーを新たに開発し、耐震補強後に広い開口部を設けられるマンサードタイプへの対応が容易となった。 川金テクノソリューションは多様な要望に応えるため、アドバンス・シリーズの開発・拡充を図り、多彩なシステムバリエーションを実現している。
【記事全文】 制震システム拡販 川口金属工業 首都圏の学校・オフィス向け 今期100基受注目標 鋼材や鋳造品製造の川口金属工業は、地震による建物の揺れを減らす制震装置を拡販する。在来の耐震補強工事より作業期間が短縮できる特徴をアピール。首都圏を中心に学校やオフィスビル、集合住宅向けに売り込む。初年度の二〇〇五年三月期に二十四基だった受注数を今期は百基、〇七年三月期は三百基に引き上げたい考えだ。 「アドバンス制震システム」は子会社の川口テクノソリューション(川口市)が設計し、川口金属工業が製造する。第一号案件として、建設業の東鉄工業が保有する東京都新宿区のビルに三月、二十四基が完成した。 一九八一年の建築基準法の新耐震基準実施以前に建てられた建物が主な対象。安全性を売り物にしたいビルオーナーや、地震による学校の被害を防ぎたい自治体などに設置を提案する。受注数は「受注間近の案件を合わせると、五月時点で百基近い」(川口テクノソリューション)ため、〇六年三月期の目標値を上回る可能性が高いという。 同システムは一基につき二本の鋼管と一本のダンパーから成り、柱やはりに囲まれた部分に組み込む。地震や強風による振動をダンパーが効率よく吸収し、建物の損傷や家具の転倒を抑制する効果があるとしている。 価格は二十基以上の受注の場合で、一枠一基タイプが三百万円程度(税別、工事費別)。一枠二基タイプもある。 鉄骨を柱やはりに囲まれた部分に組み込む在来の耐震補強に比べ、設置数を減らせるため「耐震補強なら二年がかりの工事が一年で終わるケースがある」(同)。単価は高いものの設置数や工事期間を少なくできることから、全体の費用は同等か安くなるという。 川口金属工業は蓄積した金属加工技術を活用できる事業として、収益の柱に育てたい考え。
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